アラサーヲタクの戯言

J事務所とびじゅある系が好きなアラサー女の思ったままを書くブログ

セカコイ担の女。ネタバレしかない

映画のネタバレしかない。

久々のブログなのにただただ止まらないセカコイへの想いをつらつら書いてるだけ。

個人的な感想なので解釈が合ってるのかは知らない。

 

 

スノ沼にハマってこの春、おそ松さん実写化を何回も観に行き、そのたびに予告が流れていた「今夜、世界からこの恋が消えても」。


みっちーと福本莉子ちゃん。
消え恋にハマっていたのでその時はお互いの恋を応援し合っていたふたりが恋仲を演じるのか〜キラキラした恋愛モノかな?観に行くことはないな〜と失礼ながら思っていたし、TVを観ないので番宣も何もかも見ていなかった。それが偶然が重なりセカコイを観ることになったので軽い気持ちで観た。

 

結論としては軽い気持ちで観るものじゃなかった。
 
主な登場人物としては無色透明で人生を諦めている主人公、神谷透と、事故により記憶障害となり眠ると記憶がリセットされてしまうため日々の出来事を日記にしたためているヒロイン日野真織。 
そしてそんな真織の障害を知っている親友、泉。
純文学作家をしている透の姉、早苗。
真織の父母。

 

あらすじとしては友達を助けるために真織に嘘の告白をする透。
真織は嘘の告白の事情を分かった上で①放課後までは話さない②連絡は完結に③本気で好きにならないの3つの条件を出し、二人は恋人のフリをして付き合うことに。
次第に惹かれ合う二人。でも透が…。

と言うもの王道系なんだけれど。
 
まず、主役二人の見た目も中身も純度が高くてすべての会話が優しくて、人を好きになることに一切の曇りのない瞳が眩しくてキラキラしていた。
あ〜こんなに性の匂いがしない深い愛って存在するんだなって。

 

みっちー。普通にいたらものすごい綺麗なお顔なのに映画ではそのオーラを消して何か諦めたような地味め男子、神谷透を見事に演じていた。時間が経過するにつれ、最初のどことなく自信がなく人生に楽しみを見出していない表情から真織と付き合うことになり彼女のすべてを知った上で毎朝絶望から始まる彼女の日々を、日記を読むことで昨日までの自分は楽しくて幸せだったんだと思わせてあげたい、そのために日々を楽しいものにしてあげたいと無償の愛を捧げる人に変わるんだけれどその表情の変化、愛しい人を見る目が素晴らしかった。 


真織役の福本莉子ちゃん。
何より細くて可愛くて守りたい(そこかよ) 
真織の毎日は絶望から始まる。起きて絶望しながら日記を読み返しては記憶のない昨日までの自分を振り返り、色んなことを頭にインプットしてリセットされた1日を過ごす。
きっと私なら毎日「眠るのが怖い。眠りたくない」って絶望しながら眠り、ずっと絶望していると思う。部屋から出ることすらせず自ら死ぬことすらできないからただただ死を待つための時間にしかできない。
でも真織の朝は絶望から始まるけれど日記を開いて昨日までの自分を記憶する努力をする。毎日を輝かせて明日の自分のために日記に残す。このしんどい作業をできる彼女の精神的強さとキラキラと輝く周りを明るく照らす笑顔。
でもたまに見せる戸惑いや弱さ。
すごく繊細に、でもこういう題材が重くならない福本莉子ちゃんの演技力も素晴らしかった。

 

そして何よりその二人のすべてを常に見守り助ける親友の泉。
もうね、高校生なのに泉から出るオーラが人生のすべてを知った人!
寂しさとか諦めとか色んな感情を持ちながらも真織と言う絶対的存在への献身的な友情、愛が全部に溢れていた。
真織への献身的な愛を心に持ちながらも双方を想う愛を信じきれなかった泉が透と真織との時間を過ごす中で、無償の続く愛があるんだと教えられ彼女自身も変わる。

心臓が悪く、「ぼくにもしものことがあったら真織の日記から僕を消去してほしい。日記に僕が登場していなければ僕等は出会っていないことになる。真織のためにもそうしてほしい。」と言う透の最後の頼みを実行した彼女を思うと泣けて仕方なかった。
透は泉の中に確実に存在し、親友の彼氏ポジションから自らとも時間と思い出を重ね親友と呼べる間柄になった人の存在を親友のために消す。
あー、あまりに辛すぎる。
ポーカーフェイスで冷静な泉が親友のために親友の存在をなかったことにする作業をしている心の辛さを思うと耐えきれなかった。
なかったことにする作業の最後に彼女が嗚咽を漏らしながら号泣する姿は本当に心が痛んで仕方なかった。
古川琴音さん。失礼ながら初めて知った女優さんなんだけれど本っっっ当に素晴らしかった。
脚本家の方が全員が主役だと思って脚本を書いたと仰っていたが本当にそのとおりだと思う。
彼女の存在がなかったらこの映画は全く別物になっていたと思うし、ここまで深みも広がりもなかったように思う。
泉の相談に乗り、弟のために弟の存在をなかったことにする作業を引き受ける姉早苗を演じた松本穂果さんもさすが純文学作家と思わせる言葉のチョイスと落ち着いていて素敵な雰囲気と強い精神や心の表現が素晴らしかった。

 

勝手に今までの色んな人との別れを思い出して、その人たちが浮かんでは自分の中で確実に“今”を生きる人ではなく“過去”の思い出の人になっていっていることへの切なさが溢れて、いなくなった人との思い出を覚えていないけれど、今から取り戻そうとする真織が羨ましくなったり。
そして自分がいなくなった時にその人のために自分の存在を消してほしいと言えるほどの無償の愛があるのかを考えたら私なら言えないなと思って透の愛の強さとそこまでしたいと思わせる真織のことをすごい人だなと思ったり。
透も泉も真織が好きで真織のために尽くすんだけど、透と泉、互いにしか共有できない想いもあったはずで。
それを思うとやっぱり最後はすべてを背負った泉のメンタルを考えて映画が終わっても引きずりまくった。

引きずって引きずって主題歌のヨルシカの左右盲を聴いて泣いて。

2回目観たときもボロボロになって。
小説の続編を読んで、やっと泉ちゃんへの気持ちの引きずりが無くなり、3回目で透が真織に与えた生きる力を素直に受け止めることができた。

 

設定とか時系列とかつっこみどころもあるけれど、とにかく私にとって素晴らしい映画だった。この作品に出会えてよかった。

ほんと観てほしい〜〜誰も読んでないと思うしネタバレしまくってるけど〜

 

そんな感じで長くなったけど終わり。